部品供給工程の自動化における3つのポイント

部品供給工程は、あらゆる工場の生産ラインにおいて自動化が検討されてはいるものの、作業者が部品を供給するという人的作業のままになっていることが多い工程です。工場無人化ナビでは、これまでに数多くの部品供給工程の自動化・省人化に関する提案を行い、様々なカスタム装置・ラインの導入を行ってきました。ここでは、そんな工場無人化ナビから、部品供給工程の自動化におけるポイントを3つにまとめて解説いたします。

手作業による部品供給工程で発生する問題

まず、手作業で部品供給工程を担っている場合に発生しがちな問題点をまとめてみました。

人的なミス

まず、手作業で部品供給工程を行っている際は、人的なミスがどうしても発生してしまいます。人であるからには、ミスは避けられないものです。しかし、大量の部品を扱っている際には、1つの人的ミスが後に大きな問題に発展する場合もございます。

多くのスペースが必要

また、部品供給を人的に行っている場合は、どうしても作業スペースが必要になります。そして作業スペースに合わせて、移動するための動線確保、作業に必要な道具を整備するための場所、といった形で様々なスペースが必要となってしまいます。

工場全体で見たときに、省スペース化というのは高効率化・生産性向上を考える際には切っても切れない課題と言えます。

人件費

そして、作業員が必要になるとかかるコストが、人件費です。正社員ではなくパートを雇ったとしても、人件費というのは大きな固定費として計上されてしまいます。中長期的に見たときに、実は作業員を1人雇い続けるよりも、工程全体を自動化する装置やラインを導入した方がコストを抑えることができる場合もございます。

こうした理由から、①人的ミスをなくすために、②省スペース化を実現するために、③固定費削減のために、部品供給工程を自動化するニーズが多くございます。そして工場無人化ナビでも、多くの部品供給工程の自動化に関するご相談をいただいております。

部品供給工程の自動化における3つのポイント

つづいて、部品供給工程の自動化におけるポイントを3点にまとめて解説いたします。

①:ロット数に合わせて最適な部品の供給方法を選定する

まず1つ目は、部品のロット数に合わせて最適な部品の供給方法を選定することです。一言で部品の供給方法といっても、その方法は多岐にわたります。その中で、どの部品供給方法を選定するかというのは、ライン全体の効率化に大きな影響を与えます。

例えば、非常に小さな部品を大量に供給する必要がある場合は、パーツフィーダーを用いたり、エアーを用いて空気搬送したりします。

一方、ある程度重量があり、組付けや検査などの精度が求められる工程に部品を供給する場合は、1つ1つ丁寧に部品を供給する必要があります。その際は、最も人の作業に近い多軸ロボットを使用したりします。

また、多数の部品を同時に組付けしたりする場合は、トレーを用いて搬送したり、専用の部品供給ユニットを開発する場合もございます。

②:部品サイズや形状に合わせて最適な部品の供給方法を選定する

2つ目は、部品のサイズや形状に合わせて最適な部品の供給方法を選定することです。部品の供給方法で最も制限が発生するのが、部品の大きさや形状に関する制限と言えます。

パーツフィーダー1つにとっても、その種類は部品サイズや形状の分だけ存在します。一般的なネジ部品を供給するためのパーツフィーダーから、リング形状の部品を供給するためのパーツフィーダーなど、その部品のサイズや形状に合ったパーツフィーダーを選定する必要があります。また、特殊な部品を取り扱う際は、一般的なパーツフィーダーでは部品供給ができない場合もあります。その際は、特殊部品に合わせた専用のパーツフィーダーを設計開発するという選択肢もございます。

③:ラインの目的に合わせた供給スピード

3つ目は、その部品が使用される生産ラインの目的に合わせて、部品の供給スピードを調整することです。

例えば、多くの部品の印字検査を高速で行いたいという生産ラインの目的があれば、その検査スピードに合わせてパラレルリンクによる高速ハンドリング(向き合わせ・整列)を行う必要があるため、パラレルリンクが対応可能かつできる限り速いスピードで部品の供給を行うことで、ライン全体の効率化が向上します。

このように、ライン全体の目的に沿って部品供給のスピードを調整することは、製品全体の製造効率化を図るためにとても大切なポイントとなります。そして、上記3点を考慮した、部品供給工程を担う自動機・装置の設計・製作が必要となるのです。

部品供給工程の自動化を行った自動機・装置 事例

ここでは、工場無人化ナビが実際にお客様に提案・導入を行った、部品供給工程の自動化に関する自動機・装置の事例をご紹介いたします。

事例①:ラベル貼り付け機

ラベル・テーピング

こちらの装置は、樹脂成型品へのラベル貼り付けを完全自動化できる装置です。製造ラインにおいて、向きがばらばらな状態で供給される製品に対して、カメラと画像認識技術を駆使し、正しい向きにてピックアップを行います。その後、画像認識にて位置を補正しながら、所定の位置に正確に貼り付けることが可能です。

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事例②:微小Oリングの供給と組付け装置

微小Oリングの供給と組み付け1

こちらの装置は、極小パーツにOリングを組み込むための、自動化装置です。組付け部品の滑りをよくするために、あらかじめグリスが塗布されたOリングの供給と組み付けを行う機能を設けています。

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事例③:缶詰検査・印字装置

食品缶詰生産ライン用 検査・印字装置イメージ

こちらの装置は、缶詰検査・印字装置です。高速供給からパラレルリンクでの向き合わせ・整列、インクジェット印字、画像検査という4工程を一連の作業で行い、缶詰のトレーサビリティー用の印字を行います。

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