塗布工程の課題と自動化の効果

近年では、自動車のEV化などに伴い基板製品の生産量が増加しております。そのような状況の影響もあり基板製品を生産する工程では接着剤や固定剤などを塗布する塗布工程が多様化してきております。

工場無人化ナビでは、これまでいくつかの塗布工程の自動化・省人化に関する自動機設備の提案・導入し、塗布工程の課題解決をお手伝いさせて頂いております。
ここでは、そんな工場無人化ナビから、塗布工程の自動化前の課題と自動化の効果について解説いたします。
また、当社の塗布工程の自動化事例も掲載しているので是非そちらもご覧ください!

塗布工程の自動化前の課題

塗布品質の保証

塗布工程の自動化ができていない工場では、当然、塗布作業は工場内の従業員が行うこととなります。
塗布作業を人の手によって行うことは難易度が高いと言われています。
難易度を上げている理由としてはその塗布品質の保証です。
人手にて塗布作業を行うと塗布量の調整や塗布する位置のずれ等がどうしても発生してしまいます。
そのため、塗布品質の保証が難しく塗布が上手くできなかった製品についてはやり直しまたは、不良品となってしまいます。
塗布作業は連続作業であることが多く、作業を行う従業員の疲労がたまることや集中力が切れてしまう事が原因で人的ミスが起こりやすい現場です。

自動機による塗布工程のミスが発生した場合は、その原因は自動機のプログラムや自動機の故障等にあり、人手での作業と比較し原因が明確ですので、ミスの修正や対策も迅速にできることも自動機のメリットであると言えます。

画像検査によるトレーサビリティ

次に塗布工程の課題として挙げられるのは、トレーサビリティです。

トレーサビリティとは、製品がいつ、どこで、だれによって作られたのかを明確にすべく、追跡可能な状態にすることです。
このトレーサビリティという考え方は、近年では製品の品質向上や安全意識の高まりから重要度が増しており、自動車や電子部品をはじめ、食品や医薬品など幅広い分野に浸透している考え方です。

人手での塗布作業では、その製品の検査基準が作業者の主観になってしまうことがあります。
ただ、先述のトレーサビリティの観点からすると、人の主観でない検査基準で検査することが必要となります。
具体的には、検査結果を数値化しデータ化をすることにより人の主観でない検査基準を設けることが可能となります。
塗布工程とそれに伴う製品の検品の工程を自動化することにより、過去のデータを保存することができるようになり分析や不良の追跡が行いやすくなります。

塗布工程自動化の効果

自動段取り、多品種対応ロボット使用による自動段取が可能。
プログラム選択で様々な品種に対応。

まず塗布工程を自動化することの効果としては、工程の省人化が図られるということが挙げられます。
また、ロボットを使用することでこれまで時間がかかっていた段取り替えの作業も自動化することが可能となります。
さらにプログラムを複数用意することで様々な品種に対応ができるようになり、工場の生産性の大幅向上が見込めます。

汎用性・拡張性の高さ

通常、自動機や専用機というものは、その製品やその工程に合わせて製作されるため自動化の範囲が狭く、複数の製品や工程にまたがる場合、複数の自動機・専用機が必要となるのですが、
当社がご提供する塗布自動機は、汎用性が高くロボット先端ツールの交換により、接着剤・防振剤・グリスなど様々な塗布作業への展開も容易となります。
さらに、塗布に限らず、ねじ締め・溶着などへの転換も可能なため、生産ラインの幅広い自動化が実現できるようになります。

品質の安定化

次に塗布工程の自動化による効果として挙げられるものが、品質の安定化・品質保証です。
塗布後の工程に検査を付属させることで次工程への不良の流出を抑えることも可能となります。
取引先から見て出荷前の生産品の品質が安定している・品質保証がされていることは大きな評価の対象となります。
人手作業によるミスが発生してしまう工程である塗布工程の品質安定化により、工場の出荷品の品質の安定化・品質保証に繋がりさらには工場の評価の向上に繋がることがあります。
また、手作業での塗布作業では、作業のミスなどによりワークや製品を傷付けてしまうことがありますが、塗布自動機を導入した場合、ワークの損傷を防ぐことも可能となります。

ロボットによる自動化事例

ここでは、工場無人化ナビが実際にお客様に提案・導入を行った、塗布工程の自動化に関する自動機・装置の事例をご紹介いたします。

事例①基板固定剤塗布装置

こちらの装置は、実装済み基板のコネクタ、コンデンサ、抵抗等の電子部品に固定剤を塗布し、部品の位置ズレや曲がりを防ぐ装置です。
ロボットにディスペンサを持たせて接着剤を塗布することにより安定した生産が可能となりました。

このように、お客様のご要望に合わせた自動化装置の設計から製作までをおこなっております。自動化・省人化にご興味をお持ちのお客様は、まずは一度、工場無人化ナビまでお問い合わせください。

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事例②基板メーカー向け液状ガスケット塗布・ケース組立機

こちらの装置は、基板メーカー向け液状ガスケット塗布・ケース組立機という装置で、制御部品基板を載せたケースにガスケットを塗布し蓋を組付、ネジ締めをすることが出来る装置です。

塗布後にレーザー変位計で高さ確認を行い均一に塗布されているかの確認も併せて行います。
ロボットとディスペンサーの連携により定量の液状ガスケットを規定位置に短時間で正確に塗布することが可能となります。また、改善前は別工程で人手による段取りが必要だったネジ締め作業も同時に行えるようにすることで工数削減ができました。

このように工場無人化ナビ.comでは、お客様のご要望に合わせた自動化装置の設計から製作までをおこなっております。
自動化・省人化にご興味をお持ちのお客様は、まずは一度、弊社にお問い合わせください。

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